イエス・キリスト

マタイ伝を読んで

あなたを信じるのに
処女マリアから生まれる必要はなかったし
復活も不要だった

ガリラヤの山の上で語った
あなたの言葉だけで充分だ
天の王国から来た人でなくして
どうしてあのようなことが語れるだろう

そのとき私は
大勢のユダヤの人々から少し離れて
うしろのほうのはずれに座って
遠くからあなたの姿を見ていました
少し甲高い声は風に乗ってよく聞こえました

・・・・・・

あなたを聞いたものは
信じるか信じないかの
どちらかだろう
そののち裏切ったのは
イスカリオテのユダだけではない

二千年の歳月が経ち
あのときの言葉は
今も胸のなかで聞こえてくるが
あなたがその予感のただなかにあって語った
  いつとは約束しませんでしたが
最後の時はまだ来ていません

ヨルダン川の岸辺で
風に吹かれる葦のように
私はたたずむ
そして思う
塵からできた者は塵に帰ると
霊があれば
それを与えた神に帰るだろう

二00七年三月
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