イエス伝

12 弟子を送り出す

イエスの行くところ、いたるところで群集が集まって来る。四千人とか五千人の人々がイエスの後について来たという記述もある。家に入れば、人々が押し入って、食事も出来ないほどであった。イエスの宣教は一見して成功したようである。しかしイエスは、自分ひとりで説いていたのではガリラヤやユダヤ全土に流布させるのに時間がかかりすぎると思ったのであろう、十二人の弟子たちを布教に出す決心をする。

9 37そこで、弟子たちに言われた。「収穫は多いが、働き手が少ない。38だから、収穫のために働き手を送ってくださるように、収穫の主に願いなさい。」(『マタイ伝』9:37-9:38 )

弟子たちは、まだ教えを説くことは出来ない。そこでイエスが教えたのは唯一言、「天の国は近づいた」と宣言して歩くことである。また弟子たちの宣言が信用されるように、悪霊を追い出し病を治す力を弟子たちに与えるのである。このような力が伝授され得るものなのかどうか疑問に思うが、イエスはこれを十二人の弟子たちに与え、また色々と細かい注意や指示を出している。なかでも面白いのは、「あなたがたを迎え入れもせず、あなたがたの言葉に耳を傾けようともしない者がいたら、その家や町を出て行くとき、足の埃を払い落としなさい。(『マタイ伝』10:14)」と言っていることである。そのような不信仰の町ではその町の埃も付けて持ってくるな、その地にその場で返せという意味である。ほかの福音書にも出ているので、事実そうしたのであろう。

弟子たちの布教がどのくらいの期間であったのか、定かではないが、ごく短期間であったようだ。また弟子たちの布教の様子も、明らかではない。一方エルサレムへ向かう途上で、七十二人をイエスに先行して送り出した(『ルカ伝』10:1)という記述もある。

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公開日2007年9月23日