イエス伝

8 弟子たち

イエスは、最初はガリラヤの村や町を渡り歩き、安息日にユダヤの会堂で説教を始めたようです。この頃イエスは、ガリラヤ湖畔で漁をしている漁師たちをつぎつぎに弟子にしました。福音書には、イエスに声をかけられて、一も二もなく仕事を投げ打って、イエスについてゆく最初の弟子たちの様子が書かれています。

4 18イエスは、ガリラヤ湖のほとりを歩いておられたとき、二人の兄弟、ペトロと呼ばれるシモンとその兄弟アンデレが、湖で網を打っているのを御覧になった。彼らは漁師だった。19イエスは、「わたしについて来なさい。人間をとる漁師にしよう」と言われた。20二人はすぐに網を捨てて従った。21そこから進んで、別の二人の兄弟、ゼベダイの子ヤコブとその兄弟ヨハネが、父親のゼベダイと一緒に、舟の中で網の手入れをしているのを御覧になると、彼らをお呼びになった。22この二人もすぐに、舟と父親とを残してイエスに従った。 (『マタイ伝』4:18-4:22)

実に無造作にイエスは声をかけ、声をかけられた者たちは仕事を投げ打ってイエスについて行きます。また十二人の弟子を選んだ様子は、次の様に記述されています。

313イエスが山に登って、これと思う人々を呼び寄せられると、彼らはそばに集まって来た。14そこで、十二人を任命し、使徒と名付けられた。彼らを自分のそばに置くため、また、派遣して宣教させ、 15 悪霊を追い出す権能を持たせるためであった。16こうして十二人を任命された。シモンにはペトロという名を付けられた。17ゼベダイの子ヤコブとヤコブの兄弟ヨハネ、この二人にはボアネルゲス、すなわち、「雷の子ら」という名を付けられた。18アンデレ、フィリポ、バルトロマイ、マタイ、トマス、アルファイの子ヤコブ、タダイ、熱心党のシモン、19 それに、イスカリオテのユダ。このユダがイエスを裏切ったのである。 (『マルコ伝』3:13-3:19)

イエスは十二人の弟子をもったが、それぞれの弟子のことについては、福音書には詳しい記述がほとんどありません。ペトロ(口語訳ではペテロ)とイエスを裏切ったイスカリオテのユダのことが少し出てくるだけです。イエスは重要な場面では「ペトロ、ヤコブ、ヨハネ」の三人のみ一緒にいることを許可しているので、この三人に特別期待していたことが分かります。

弟子たちの多くが、漁師や徴税人等下層階級に属していた人たちで、教養ある階級の人はいなかったようです。それだけ素朴な心情をもっていたと思われますので、目の前で起きていることは信じる傾向が強かったでしょう。それでも弟子たちは、イエスが何者か当初よく分からなかったようです。弟子たちがイエスをどこまで理解し信じていたか、定かではありません。しかし当時、イエスと一緒に行動しイエスの話を直接聞いていても、イエスを理解することは難しかったでしょう。

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公開日2007年9月16日